2023/10/24
リースバックとは、土地を家からなるマイホームを第三者に売却すると同時に、新規に買主との間で賃貸借契約を締結して賃借人の立場でこれまで通りの生活を継続することができる取引のことです。つまりリースバックとは売買契約と賃貸借契約を組み合わせた取引というわけです。ここ数年でリースバックの利用実績は増加しており、前年比2倍以上の数字で推移しているほどです。リースバックの需要が増加する背景には、マイホームをめぐる経済事情の悪化が関係しているものとみられます。
特に新型コロナウイルスによる影響で給料やボーナスの支給額が下がったことで、住宅ローンを支払うことができなくなる世帯が増加しています。住宅ローン破綻を回避する方策としてリースバックを選択する方が増加しているというわけです。リースバックとはまとまった現金を暢達することができるため、一括して住宅ローンを返済したり老後資金を確保するなどのニーズにかなっています。他方でリースバックでの成約価格は相場よりも低い価格で落ち着く傾向があります。
それというのもリースバックに対応する不動産会社やファイナンス会社は、投資物件としてマイホームを購入しているため利回りを想定して購入価格が算出されるためです。成約価格が低く、住宅ローンの残債務に足りなければ、抵当権抹消も無理となりリースバックもできなくなってしまいます。その場合は任意売却の可能性を模索できますが、残債務の支払いが免除されるわけでもありません。